『もしもし、いっぽ?良かった、繋がって!』
「……?アラ、どうしたの。」
『ねえ、今…どこ?』
「…………。自宅にいるわ。」
『……えっ?ああ…、そうなんだ?いや、ついさっき…いっぽに似た子が赤いクルマに連れて行かれたの見てさ…。』
それは……
確実に私だわ。
「……勘違いのようね。だいたい、赤い車に乗ってる知り合いなんていないわ。」
『……そっか。ごめん、用はそれだけ。』
「……?ええ、では、また明日学校で。」
『うん。じゃあ……。』
電話を切ると……。
「何でわざわざ嘘つくんだよ。」
宏輔が…隣りで苦笑していた。
「……色々あるのよ。」
例えば。
このマフラーの持ち主が宏輔ってことになっていて……
少なからず、莉奈ちゃんが興味を抱いたとするならば……
何とも、ややこしいことになるから。


