「…寺澤先生っ。先程の英語でわからない所があったので…、教えていただけませんか。」
放課後……、
職員室の扉を開き、
仁王立ちしたまま……
私は、物申す。
「……ぉお?三船?!」
名前を呼ばれた寺澤先生は、大袈裟なくらいに驚いてみせて、
「……槍でも降りそうだな。」
笑えない冗談を飛ばす。
もちろん、こんなの口実。
なぜなら…、私の得意科目は英語なのであります。
「……いーだろー、仁志先生っ。」
……げ。
彼も……いたのね?!
「…はいはい、良かったですね~。」
ニシハルは、カップを片手に……
自分の机へと戻ってきた。
しかも!
このことに一切興味ナシっ。
「…あいつスカした振りしてるけど、あー見えて本当は悔しがってるんだぞ。」
寺澤先生が…私に耳打ちする。
近い……。
うっ……、
汗くさ……。
「なぜそう言えるのですか?」
「だって、見てみろよ。ホラ、今何か食ってるだろ?」
………ん?
手元にあるあのお菓子は……。
「イライラする時、アレを食べるんだよ。」
「………。」
「…校内禁煙だろ?だから煙草吸えない代わりに、アレに走るらしい。」
「……………!」
………て、ことは……。
あの時、私にお菓子くれたのは……!
やっぱり私が苛立っていたからじゃない。
「……なんだ…。まんまと乗せられたって訳ね。」
「……は?」
だから先生ってやつは……
嫌なのよ。
嘘つきで、傲慢で……
自分を保身する生き物。
「…いえ。何でもありません。それより、先生。」
「……ん?」
「…寺澤先生は、仁志先生と親しいようですね。」
「ああ。腐れ縁みたいなもんでね。中学から今の今までず~っと一緒。」
「……!へぇ……。」
「……で、仁志先生の何を知りたいの?」
「…………?!な……なな、何でですかっ?」
なぜにそれをー?!


