「………。お前の方が…熱あるんじゃねえの?」
「…………?!」
すっかり固まってしまった三船に代わって……
「たたた、高津ぅっ!いっぽにぬわ~んてことするのッ!!」
莉奈が二人の身体を引っぺがす。
「体温測っただけだって。……大袈裟。」
憤慨する莉奈を余所に……
一方の三船は…というと…………?
「……………!!!!」
顔が………
猿並に真っ赤!!
今にも蒸気が上がってきそうなくらいに…紅潮している?!
「…バカッ!現在イケメン警報発令中なんだから!」
「……………。」
「気安く近づかないでよねっ!」
「……………?」
莉奈よ………。
そう言われたら……
俺もイケメンの対象に入れているって解釈するが?
つか、三船よ……。
そんな態度とられたら…
俺も男として見られてるって勘違いするだろーよ。
スタスタと自分の席に戻っていく三船はまるでロボットみたいにガチガチで……、
「……やべー……」
その緊張が、俺にまで感染する。
机に突っ伏してしまった彼女から……
目を離せなかった。
その、机の脇に掛けられた鞄。
クチの開いたそこからは……
昨日のマフラーが、少しだけ……
顔を出していた。
「……………。」
あの時は…
三船が困ったかのような態度をとるから……、
咄嗟に出た嘘だった。
ついつい出した、助け舟。
『宏輔』の名を出したのは、そのくらい突発的なものであったのに……、
その嘘に、思い切り便乗してきたのは…三船の方だった。
莉奈が三船を宥める姿を見ながら……、
俺はぼんやりと思った。
マフラーはきっと……
あいつの物だ……、と。


