恋はいっぽから!

莉奈ちゃんを連れて、学生時代のニシハルの写真がある場所へと……



訪れる。






二人並んで見上げた写真。



それは……、



全国大会への切符を手にした時の……



サッカー部の写真だった。





優勝旗を手に。


仲間と肩を組んで微笑むニシハルは……。




今と変わらず、楽しそうな笑顔。







「………え?『二岡』……?」





じっとそれを見つめていた莉奈ちゃんが……



ぽつりとつぶやいた。





記されたサッカー部員の名前。



そこに……



『仁志日陽』の名前はない。




代わりに……。




「二岡……日陽?」





私は……



黙って頷いた。




「……先生は……。全国大会のピッチに立つことは…なかった。」





平賀先生が言っていた話によれば。




ニシハルは……



この写真の日以来。




サッカーをすることは……




なくなった。





そして……


全国大会。



その戦いの舞台に立つことも……







なかったのだ。









「………。いっぽ。」



「……ん?」



「………。先生のこと…、私達本当に何も知らないんだね。」



「……うん。」



「…あんなに笑ってるけど……あの笑顔は…、本物?」



「……さあ……。」





「………。やっぱり……、知りたいよ。もっともっと……、ニシハルを知りたい。」




「…………。」



「……いっぽも…、協力してくれるよね?」




「……もちろん。」




「……ありがと。」





「………。最近の調査によると、英語の寺澤先生と仲いいらしいよ。」




「……そうなんだ。」




「……私に……、任せて。」



「…………!」




「ニシハルのこと、聞き出すから。」



「……!相手は先生だよ?」



「大丈夫。莉奈ちゃんの為なら。」



「……いっぽ……。」






「………私は。大好きな莉奈ちゃんが大好きな人とうまくいってほしい。だから……、平気だよ?」