「………あれ………?」
やだわ……。
私ったらすっかり寝て……。
懐かしい夢を……
見てしまった。
「しかしまあ……、よく朝から寝れるよな。」
「…………?!」
髪を揺するその手が……
ぴたりと止まる。
「……え?!」
ガバッと身体を起こすと……
私を見つめる優しい瞳。
けれどそれは…
宏輔じゃなくて。
「……せ、先生……?」
ニシハルだった。
「……あれ?確か鍵をかけて……?」
「アホ。内側からは鍵かけられて、外からはかけられないドアなんてあるか?」
「…………ないわ。」
完全に……
冷静な判断ができない状態だったのね、私……。
「……なあ…、説明してくんない?」
「…なにを…ですか。」
「お前が俺を避ける理由。」
「………。」
「何で黙る?」
「……先生、そろそろ授業が始まるんじゃないですか?」
「あいにく、俺は1限目はフリーだ。」
「……!もうはじまって…?なら、私は行かなくては。」
この状況から……
抜け出さないと!
「………行かせない。」
立ち上がる私の腕を……
ニシハルが、しっかりと握っていた。
「……離してください。」
「嫌だね。」
「……なら、仕方ありませんね。……要点だけを…お伝えするわ。」
本当は、こんなこと……
言いたくもないけど。
今は………
我慢しなくてはならない。
「………先生……。」
先生……、
だからどうか……
解って下さい。
「……しばらく……距離を置きませんか?」


