「……莉奈ちゃん、ニシハルはね……。」
「………。うん?」
「……ニシハルは……。」
「……うん。」
「ニシハル……」
「……ええ~いッ!まどろっこしい!早く言いなさいッ。」
莉奈ちゃんの愛の鞭が…脳天に直撃!
(注:ただのチョップ)
「…なんかね。相当な………ヤンキーだったらしいの。」
「……………………。」
一瞬の間があいて。
莉奈ちゃんは…、なんと、ゲラゲラと笑い転げた。
「……?笑う所?ヤンキーだよ、ヤンキー!!」
「……はいはい、わかったよ、ちゃんと聞いてた!」
「きっと盗んだバイクで夜の街を走りまくって…、『夜露死苦』なんて殺し文句を言った15歳……」
……アラ?どっかで聞いたことのあるフレーズ?
「尾崎かいっ。」
またまた、鋭い愛の鞭が飛ぶ。
「……言うほどニシハルはウチらと年離れてないし…、そういうヤンキー(?)じゃなかったんじゃない?それに…、ちゃんとサッカーだってしてたんでしょう?どんなんよ、ソレ。」
「…………。」
言われてみれば……。
「………でも……。」
そこまで口を開きかけて。
私は……すぐに黙りこんだ。
言うべきじゃない気がする。
誰よりも。
ニシハル本人が……、
知られたくないことかもしれないから。
「………。ま、いーけどね、どんなんでも。」
「……え?」
「今のニシハル見てたらさ……、例えどんな学生時代だったとしても、やっぱり優しくて…いい男には変わりなかったんじゃないかなって思う。きっと、当時の先生でも……私は好きになった。」
「……莉奈ちゃん……。」
なんて純粋で……、
かわいいの。
本気なんだ……。
莉奈ちゃんは、ちゃんと……
本気なんだ。
胸がぎゅうっと……
締め付けられる。


