私達は、勢いよく扉を開いて……
さも今気づいたかのようにして、二人に近づいていく。
「…あれぇ?仁志先生、イケメン二人で何してるんですかあ~?」
「……太田。」
「泰人、お前がこっちに来るの珍しいじゃん。俺に用でもあったか?」
「……高津。」
「「…………。」」
両者一瞬黙り込み……
チラッと互いの顔を見合った。
そう。
それはまるで……
相手の出方を窺うように。
先に口火を切ったのは……
「高津、お前数学の課題してきた?」
……泰人くんだ。
「……課題…?あれ。ニシハル課題なんてあった?」
「……。出してねーよ。」
アララ…、泰人くん、言い訳の選択ミスね。
「……そうだっけ。つーか、あったら見せて貰おうって思ってたけど…なかったならいいや。」
「コラ。どっちにしろ自分でやれ。」
高津よりも先に…
ニシハルの素早いツッコミ。
「切れ味がちがうね。」
チラリと高津を見ると……
出番を失った男の哀愁漂う横顔が……
小さく笑みを漏らしていた。
「…つーか、お前ら三船見なかった?」
一方のニシハルは……。
臆することなく、彼女の名を口にした。
「……えっと。いっぽに用ですか?」
さあ……、先生。
どう出る。
「…てか、朝から避けられまくってんだけど。今も何でか逃げられるし。」
………。
いっぽがニシハルを……
避けている?
今のいっぽが……
何故そうする必要があるの?
「なんかムカつくじゃん、そーいうの。ちゃんと理由くらい聞いておこうかなって。」
この人は……
包み隠すことなく、いつでも真っ直ぐに向かい合おうとする。
嘘なんてつかなくて……
そんな先生の発言に、泰人くんはなす術なく……
それがかえって、心証悪くする。
ニシハル、
これって……あなたの計算?


