校門を抜けると……、
例のごとく、彼と…彼の取り巻き達の背中が見えてくる。
『先生、私はここです。』
心の中で呟くけれど……。
彼が振り向くことはない。
「……。『好きなものは好き!』……なんて…言えないわ、絶対。」
私が見つめるのは……
いつも背中ばかり。
仕方ないことだとわかっている。
先生……、
だから私にコレをくれたのよね。
私が淋しくならないように……。
私はマフラーを握り締めて。
いつものように……
スタスタと歩く。
…………と。
「…………!」
たまたまなのか、
振り返ったニシハルと……
私の目線とが、
バチっと音を立てるかのようにしっかりと……
ぶつかり合った。
「「……………。」」
彼は無言のまま。
少しだけ口角を上げて……
私の首元を指さした。
「…………!」
マフラーをしていることに……
気づいてくれた。
それでも。
一連の流れでないと……
彼は声を掛けては来ない。
「……待ってて…、今度は私が振り返るから……。」
足を早めて……、
いつものように、ご一行様を追い抜いて……。
振り返ろうとした、その途端ー……!
「…………?!」
今度は……
殺気にも似た、鋭い視線を……
背中に感じる。
「……………。」
振り向いてはイケナイ。
必然と警告が鳴って……。
私は、
振り向くこともできずに………、
その場を後にした。


