恋はいっぽから!





バタン!!
(※ドアが開く音)



「シンナーかッ!お前は一体何をしとる!!」




速攻で……


久則登場。





「………覗かないでと言ったハズです。」




マフラーを握ったままの私と、祖父との視線が……



見事にからまる。




よくもまあ……


若い娘の醜態を……!





「変態。(ボソっ)」
(注:それはアナタの方です)








「………。」



祖父はやっぱり何も言わなくて。



それが…、私の臆測を裏付けている気がした。






「……見られてしまっては仕方がありません。おじいさん、私はもう……行かなければなりません。」




「…………?」





「おじいさん、どうかずっとお幸せに。」




私は久則に……

マフラーを手渡す。






「………お前はまさか……?」




「そうです。あの時貴方様に救っていただいた……鶴にございます。」





「…………。」



「…どうかその布を町で売って下さい。」





「……………。」




「…………。おじいさん。引き止めなくて良いのですか?」




「………。誰が……、『おじいさん』だぁッ~!」






久則はマフラーを床に叩きつけて、




私をキッと睨みつけた。





「ノリが悪いわね。かの有名な『鶴の恩返し』を演じたというのに。」




「……フン…。浮かれポンチめ。いつまでも花を飛ばしてられると思うなよ。」




「………?花さかじいさんの話ですか?」







私は…すり寄ってくるフクくん(ネコ♂)を抱き上げて…。





「ポチ。(※フクくん)ここ掘れワンワン。」





……久則を指さす。




「に゛ゃ~ッ!」





身を丸めて威嚇したフクくんは……



久則目掛けて……




ダーイブ!!





「………意地悪じいさん、…成敗☆」






逃げ去る彼の背中を見届けて……。



それから、マフラーを拾い上げた。





初めて先生から貰った……大切な物。




「………幸せだわ。」