恋はいっぽから!

「…興味深い話ばっかりだったわ。そうそう、平賀先生が最後に担任を受け持ったクラスの生徒に……ニシハルがいたそうよ。」




「………!マジ?それを早く言えよ。」




「……うん。」




「…で、で?当時のニシハルってどんな……」






莉奈ちゃんの声を遮って。




「………あ!」




私は小さく叫ぶ。




「……ニシハル!」




私が指差す方向に……


莉奈ちゃんが振り返る。





ディフェンスをする現役サッカー部をいとも簡単に交わして……



縦方向に、パスを出す。




ニシハルからボールを受けとった生徒が……



気持ちいいくらいに、鋭いシュートを放って……



ネットを突き刺す。






「……あれは……、パスが良かったわね。ナイスアシスト。」






無邪気にチームメイトと抱き合うニシハルは。



普段見せる大人の色気などどこにもなくて……、



まるで、少年みたい。





「……。やっぱ…、カッコイイわぁ……。」




莉奈ちゃんは……、目がハート状態。





「あ。」




ニシハルの視線が……





私達の姿を捕らえる。






隣りにいる彼女は、キャーキャーと黄色い声をあげながら、



「ニシハル~!かっこい~!!」



懸命に、手を振っていた。





一方のニシハルも。



ニコニコしながら、手をひらつかせる。





「…………。」




何コレ。



何だか胸がモヤッと……。







思わず……、彼から目を離す。




見ちゃイケナイ顔を見てしまった気がして……。








「…いっぽ、いっぽ!」



「……はい?」




「なんか……、ニシハルが呼んでるみたいだけど。」





……は……?!



な……、なぜに?




「だって…、呼べってジェスチャーしてるよ?」




「……ええっ?!」




予想外の展開に。



私はしゃがみ込んで……。




彼の視界から消えてみる。





「……。いっぽぉ、先生を無視はヤバいっしょ。」



やれやれ、といった様子で……



莉奈ちゃんが私の腕をとった。