「…単刀直入に言いましょう。これ以上生徒達からは…、何も出てきやしないわ。」
「……。ネタ切れかあ…。」
莉奈ちゃんと私。
ふう~っと溜め息をついて。
ぼんやりと窓の外を眺める。
相変わらず、ニシハルの姿を目で追うのは……
莉奈ちゃんだけ。
……ではない。
「……。サッカー部の主将で……、ここの学校の卒業生だなんて。案外知られてないものなのね。」
「………。そうだね。私もいっぽから聞いて初めて知ったよ。」
…………あ。
すごい。
今のカット……
迫力ある。
「……ニシハルが3年の時に…、一度だけ、全国大会まで行ったらしい。」
「……えッ…!それ、すごいじゃん!」
「………。いまや弱小だもんね。てゆーか、1階の事務室前の廊下に写真もあったわ。」
「………ええっ?!それこそ知らないっ。」
「過去の栄光ね。知らない人の写真なんて誰も見やしないし、興味もわかない。ましてや本人が言わない限り……。」
「………。待って。じゃあいっぽは…、何で知ってるの?」
「…………!」
そうか……。
そうだよ、何故かって、それは……。
「………。体育の平賀先生に聞いたの。」
「……平賀って…、ああ…!あのおじいちゃん先生?!」
「……そう。」
「……てか、いっぽ…。よく『先生』に接近できたね。」
「…いや。あの人は別よ。一度定年を迎えた人だもの。偉そうでもないし、うちの祖父に似てるから……。」
「……ああ……。そんな感じ。」
「…昔は『鬼の平賀』って呼ばれてたって。」
「……へー……。」
「おかしいのよ、本当。あまりに面影ないから、思わず疑った。そしたらね、必死に当時のことを語り始めるんだもん。」
「……へー……。」
「……。あら。興味なさそう。」
「…だって~、平賀のこと聞いたってねえ。」
「…………。」
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