ニシハルは無言のまま……
私を半ば強制的に、進路指導室へと押し込めた。
「…先生。俄仕込みでは…いくら私でも点数とれません。」
「それは成績のいい奴が言うセリフだろ。」
「数学以外はほぼパーフェクトです。」
「あっそう。(イラッ)」
「突然何かと思えば…。一体どういう風の吹きまわしですか?今更数学を教えようだなんて……。」
ハッ……!
まさか孔明殿(莉奈ちゃん)が風を操って……?!
「……。そうだな。個人的に教えるのは…お前が初めてだ。」
「……あら。光栄だわ。」
「……って、んなワケあるかっバカ、バーカ!」
「………?!」
じり…
じり……と、
ニシハルは私との距離を縮めて来る。
「今日の放送といい…、言いたいことがあるならハッキリしろ。」
「………!」
ついには……
逃げ場をなくし、私の手に……
行き場がないことを告げるようにして、木製の勉強机が…、コツンとぶつかる。
「おかげで今日一日、ずっと…、あの曲(※フライン〇ゲット)が頭ん中流れてる。」
「…奇遇ですね。私もです。」
「シャレになんねーんだよ。」
「………!」
先生との距離は…、
とうとう人…、一人分。
「…近いです。」
「あ?」
「ドキドキするのでもう少し離れてはくれませんか?」
「………。やだね、お前がちゃんと言うまでは。」
ニヤリと笑って……
その美しい顔で…
私を覗きこむ。
もう……、こんな至近距離は堪えられないわ!
「……先生、教えてくざさい。」
「……なに。」
「……先生は私をからかってるだけだとわかっていますが…、どうしても、腑に落ちないんです。」
「………?」


