今……
疲れるって言いました?
ええ、言ったわ、間違いなく。
なんなのかしら……、
本当。
今更何だって言うの?
ならば……、
初めから構わなければいいじゃない。
散々ドキドキさせられて、
やっと想いを届けて、
必死の思いで……
貴方のその手を掴んだと思っていたのに……。
そうやって……
簡単に、突き放そうとするのね。
面倒臭い……?
わかっていたはずです、先生。
結局あなたも……
そういう人なのですか?
だから私を……ずっと近づけなかったのですね。
「………。私は本来こういう女です。そうとわかっていて…なぜわざわざ近づいてきたのですか。」
「………三船…?」
「……私だけが浮かれていたんだわ。」
「………!」
「…先生は、私といてドキドキしたことはありますか?胸が苦しくなったり、ワクワクしたり…。私は…、初めてそんな感情を知りました。でも、先生には…わかるはずもありませんよね。」
「……………。」
「……そうですね……、先生の言う通り。私はどうやら思い違いをしていたのかもしれません。」
「……は……?」
「二週間程前にあったことは……何かの間違いだった。……それで…いいです。」
「…………。」
「だから、気まぐれで近づくのは……、もうやめて下さい。」
「………。」
「……信じようとした、私が馬鹿でした。魏王に恋など……無理があったんだわ。」
「………。(魏王?)」
「おとなしく、蜀の国で…ちゃんとした恋を探します。」
「ちゃんとした恋……?」
「はい。」
「……あ、そう。いーんじゃねーの?」
「…………。」
「お前も所詮、そんなもんだってことだ。」
先生は……
小さく笑って。
それから……
私に教科書を手渡してきた。
「お前の言う『ちゃんとした恋』。…実るといいな。」
アタマにぽんっと手を置かれて……
それがゆっくりと離れていく頃……。
私は……
すでに後悔していた。


