そんなすごいお方だったとは……。
「…女の子にあんま興味なくて、クールで…、近寄り難い感じ。だからなかなかお近づきになれないのに……。うん、さすがはいっぽ!」
近寄り難い?
女の子嫌い?
いいえ……、
彼はもっとこう……。
「親しみやすくて気さくな方だわ。それに……、ニシハルに匹敵するくらい笑顔が素敵で……」
「………へぇ…?」
…………。
「…………!」
この声は……!
「……に、仁志先生!なんでここに?!」
慌てた莉奈ちゃんの声が……
思いきり裏返った。
「悪いか、次は俺の授業だけど。」
「………!」
……そうだったわ。
あ……、
数学の教科書、まだ長南殿の元……。
「…………。」
私は席を立つと……、
長南殿の姿を探そうと、
廊下へと出た。
「……。忘れてるのかしら?」
一向に現れる気配はない。
そうだ……、
私が何組かわからないのかしら。
「……あら?でもちゃんと知っていたわね。」
私が5組の教室から外を覗いていたことを……
彼は知っていた。
「……そういえば名前も知っていたわね。…何故かしら。」
辺りをキョロキョロと見渡して…、
「……仕方ない、取りにいきましょう。」
一歩踏み出した所で……
バシッと、
アタマに痛みが走った。


