恋はいっぽから!








「………普通…、この状態で寝るか?」





すっかり力の抜けた三船を……



そのまま担ぎ上げて。





職員室の自分の椅子に…座らせる。






「……コレ……いつ起きる?」





隣りの寺澤の椅子を借りて……。





三船の隣りに…座る。








「………。」




ただ、その横顔を見ているだけで……





ホッとする。





『……だいたい。好きなら…、別に一緒にいれればそれでよくね?』







深く考えて言った訳じゃなかった。





上手くあしらう為の、定型文のような…ものだった。



女っていうのは。
いつも安心を求めるものだから……


ああ言っておけば、丸くおさまる訳で……。








なのに、




なぜだろう。





俺は…、その言葉の本当の意味を……



今、この瞬間に……






初めて、理解することになる。






結局の所……、太田は口止めを守ったってことか。






「………よく寝るな。」




頬を突いても。


髪を悪戯しても。



全く起きる気配は…ない。







「……ま、いっか。」






三船と向かい合うようにして……




俺も、机に頭を置いた。




「……………。」










………。



無防備すぎんだろ…。