私は……、一歩、踏み出す。
「…………。入ってくるな。」
ニシハルの低い声が……、
職員室に、響く。
「……なぜ……?」
前にも……
そんな言葉を…聞いたことがあった。
あの時の相手は……
高津くん。
私はあの時……、
彼の元へは行かなかった。
ううん……、
行けなかった。
理由は、ただひとつで……
期待などさせてはいけないと。そう……思ったから。
なのに今は……
どんなことがあろうと、あなたの元へ行きたいと……
強く。そう願う。
「…………。」
理由を……
教えてはくれないのね。
なら……、
「……入るのみ、です。」
「……………。」
「また無言ですか。まあいいです、行きますよ?」
「………………。」
「……無言はYESと捉えるって、さっきも言ったのに……。」
ここは……
先生との、境界線。
飛び越えてしまったら……
どうなるのかは……
わからない。


