先生の瞳は…
焦げ茶色の、キレイな目。
何かを言いたげに……
私を見る。
「……もう暗いから…、早く『ソレ』連れて帰れよ。」
先に逸らしたのは彼の方で。
私の頭に一度だけ……
ポンっと触れただけで……。
すぐに、背を向けてしまった。
「『ソレ』じゃあありません。フクくんは…、お友達です。」
「………。じゃあ…、『そいつ』。ここに住まわれたら困るからな。」
ニシハルは……、もうこっちを……見ない。
自分の席に座って、
私とは反対側の……
窓の外を、見つめていた。
「……先生。」
「ん?」
「先生はまだ…、ここにいるのですか。」
「……。もう用はないし…、帰るよ、すぐに。」
先生……、お願いです。
少しはこっちを……
見て下さい。
窓の外は……、もう、真っ暗。
グラウンドのライトだけが……
眩しいくらいに、光を放つ。
聞こえてくるのは……、
野球部員の、掛け声。
それだけ…だった。
「………。外に…何か見えるんですか?」
「…………。」
「……もしや……、宇宙人?」
「……………。」
なぜに……、
無言なの。
あ。
…………交信中……?
途端に……。
「何でまた…、宇宙人ネタなんだよ。」
ニシハルは……
お腹を抱えて、笑い出した!!
「…………?!笑う所ですか?」
「そりゃあ笑うよ。………。あのなぁ…、俺にとっちゃあお前の方が、よっぽど宇宙人に見える。」
「……………?!」
「………。ホラ、…窓…見てみ?」
彼が指差す所に。
暗闇に映し出される……宇宙人。
……いや。
私の姿が……あった。
「……窓に映る宇宙人。それを……見てた。」
「…………!!」


