帰り支度をして、
「……今日は…ありがとう。」
「ううん、ごめんな…大した力にもなれなくて。」
「……とんでもない!あんなに一生懸命探してくれて……嬉しかった。」
小さな蟠りを残したまま……
二人に別れを告げた。
小さくなっていく二人の背中。
………と、
「……三船!」
高津くんが……
足を止めて、こちらに向かって……
走ってきた。
「……どうしたの?」
肩で息をしながら、真っ直ぐに私を見つめる。
「……こんなことになって…、言うべきかずっと悩んでたけど……。」
「…………?」
「……今日…、何の日か覚えてる?」
「…………!」
「高津!」
莉奈ちゃんが、高津くんの肩を掴んで…
懸命に首を振っていた。
「………。調査報告させてもらうけど。ニシハル…、心配してたぞ。」
「………先生が…?」
「…今日、お前…あいつに会ってないだろ?」
「…………。」
「…他の先生には頼ったくせに…、何でニシハル頼らねーんだよ!」
「………それは……。」
忘れた訳じゃ……なかった。
ずっと楽しみにしていた先生の誕生日。
けど。
こんな日に…
迷惑なんて掛けたくなかった。
こんなボロボロの私で……
会いたくなんてなかった。
「……大体ニシハルはな、お前のなっさけねー姿も、髪振り乱して頑張る姿も、ちょっと…いや、かなり変態入った姿も、みんなみんな…知ってるんだ。今更何を…気にしてる?」
「……高津くん。」
「そして何で俺がこんな事言わなきゃなんねーんだ!つか、ムカつく!」
「…………。」
「……いっぽ。ついでだから私も言わせてもらうわ。アンタ今日…、本当はニシハルに告白するつもりだったでしょ?」
「………!」
莉奈ちゃん。
気づいてたのね……。


