「あ。お帰りー、いっぽ。猫ちゃんどうだった?」
「………。莉奈ちゃん。…見つからないわ。」
「…そっか。でも冷静に考えたらさ、何とかアテがあるから…没収したんじゃないかな。」
「……そういう問題じゃないの。フクくんは…、私がいないと駄目で…、警戒心が強くて、知らない人にも引っ掻いたりするわ。暗くて狭い所ばっかりを好むの。今頃…どこかで怯えてるやもしれない。」
「……三船…、考えすぎだろ?大丈夫だって。」
「…大丈夫だなんて……、保障はあるの?高津くんにはわからないわよ。私が一番辛い時も、ずっとずっと側にいてくれたのは…フクくんだった。フクくんがいなかったら、私は今頃…………」
「………三船……?」
「いっぽ………?」
私は……
今一体何を…………?
「あの…、お取り込み中大変申し訳ありませんが……」
「…なんですか、こんな一大事に!……って…、……あ。」
浅田先生っっ!!
「先生、フクくんは?!今どこに?」
「理事長先生の所ですよ。」
り………
理事長?!!
「理事長先生は無類のネコ好きなので、この時間、預かってもらったんです。」
「……そ…、そうですか……。良かった~!!」
本当によかった!
どうしようかと…思ったわ。
「……ずっと置いておく訳にもいかないでしょうから…、一旦家に連れ帰って下さい。次は私の英語だし、ちゃんと許可をとりますから。」
「……あ…、ありがとうございます!!」
ところが……。
喜んだのもつかの間。
「「……え?!逃げた?!」」
私と浅田先生の声が…そろった。
話によると。
彼は、ドアが開いた一瞬のスキに……
理事長室から、出て行ったらしい。
「……………NO~!!!」


