「フクくん…、どこに連れて行かれたのかしら。」
キョロキョロと校内を探し回るけれど……、
それらしき姿は…見当たらない。
当然……、鳴き声も…。
「その辺に野放しってことは…、流石にないみたいだわ。」
一番可能性が高いのは……?
「………。職員室ね。」
私は真っ先に……。
職員室へと訪れる。
「…失礼します。」
「……三船?!」
殆どと言ってもいいほど誰もいない職員室では……。
お茶会の、真っ只中。
「……三船…、授業は?」
「……サボりです。」
「……はあ?!」
お怒りのお局先生の影から……
寺澤先生がひょいっと顔を出した。
「……何かあったのか?」
寺澤先生なら…、少しは信用できるわ。
「猫を……、見ませんでしたか?」
「猫?」
「…猫ですって?」
お局の……眼鏡が光る。
「探してるんです、家の飼い猫。」
「……でもまさか…、学校にいるはずもないだろう?」
ここは……
シロね。
「…あの、浅田先生を知りませんか?」
「浅田先生なら…、3年の授業中だけど。」
「……!」
ならば…
連れ歩くことは…できないはず。
「三船さん。今は授業の時間でしょう?家に帰ってからにしなさい!」
「………!うるさいわね……。」
「………はい?」
「いえ、何でもありません。」
うっかり……
本音が出てしまったわ。
もうここは……用済みね。


