「…で、散々引っ掻き回して……、目的は達成できたの?」
「……。貴方が早く出してくれれば、終わることです。」
「………。じゃーアレは?」
ニシハルは、徐に……
黒板を指差す。
PM6:00
三船一歩只今参上!!
今宵、貴方のハートを奪いにきました。
「………あ、アレは…!貴方に会えなかった時の為の保険と言いますか、ここに来た証拠を残したかったと言いますか……。大して深い意味では…」
「……ないの?」
「…………。いえ……。ないとは言い切れません。」
「…………。」
「………本当は…、貴方に気持ちを伝えたかった。それだけだったんです。忘れ物だなんて…とってつけたような物です。」
「………。ハートを奪いに…、ね。へぇー……。」
「…………。」
「もうとっくに…奪われてるのに?」
「………。…えっ?」
今……
何て………?
「……お前がまさか戻ってくるなんて…思わなかった。賭けにも負けたってのに。なのに…どっかで期待する自分がいたりして……。バカみたいに待ってた。」
「………先生…?」
「なあ、さっきの告白…もう一度してみろよ。さっきはよく聞こえなかったんだ。」
「…は…、はあ…?!アレを言うのに…どんなに勇気をつかったと思ってるのですか?!」
し、信じられないわ…!
「いつも…お前ばかりがこうやって勇気を出して…飛び込んで来たよな。」
「…………。」
「告白しろよ。そしたら俺も……もう、迷わない。」
ニシハルは……
じっとこちらを見つめて。
さっきみたいに……
切ないげな瞳が。
しっかりと私の姿を……
映し出していた。


