「………残念ながら、お前が探してる物は…ここにはねーよ。」
途端に降って来る……、ニシハルの声。
「………!オノレ…、ニシハル。ワラワヲダマシタナ!」
「…あ?(イラッ)別に騙してねーよ。てか、気づきもしなかった癖に…今更何なんだ。」
「………。ドコニアルノダ…?」
「……さあ……。手伝おっか?」
入口に立つニシハルが…中に入って来ようとするのを。
「……来るでない!!」
私は思い切り……阻止する。
「……何で……?」
「………気づかなかった私が…バカだったんです。どんな小さなことでも、貴方が私に残してくるたものがあったんだったら……どんなことをしてでも、知りたいんです。だって…、見つけて欲しかったんでしょう?だから念を押して、私が気づくように…声を掛けてくれたんでしょう?」
「……………。」
「きっと、それが一番の…忘れ物だったんです。」
「………そうかもな……。」
ニシハルはトン、と教室と廊下の間のドア口にもたれかかって。
なおも探し続ける私を、ただ黙って……見ていた。
「……あーあ。『暴走』取り戻した途端にコレかよ。」
「…………。」
「随分とまあ荒らしてくれたな。ちゃんと片付けろよー?」
「……わかってます。」
「あと、言っておくけど……」
「まだ何か?!」
「……。(イラッ)………あのさ、お前が探してる物は……、俺が持ってんだよね。」
「………はぁあ~っ?!それならそうと……、早く言って下さい!倒し損ではないですか。」
「や。見てんの面白いし…、気づかなかったその…仕返し。」
「もう……、意地が悪いです。」
「……ちなみに往生際も悪い。」
「………?」
ニシハルは、はあ~っと大きく息を漏らして。それからじっと……
黒板の方を眺めた。
「……あんなん言われたら……、動揺もするっての。」
「…………?」
「……お前さあ…、そもそも学校に何しに来たんだっけ。」
「…忘れ物を……取りに?」


