背後から、低く穏やかな声が……響いてきた。
「………。さっきから窓に映ってる。…宇宙に帰ったんじゃなかったの?」
「…………。」
ニシハル………。
「…………。チキュウニ、チトワスレモノヲ…。」
ああ……、
ミフネ星人。
この後に及んで、地球人(※ニシハル)に翻弄されて…どうするの……?
「……忘れ物?あれだけ確認したのに?感動の別れが……台なしじゃん。」
「…………。チキュウジンヨ。モドッテキタノハ、ワレワレノニンムヲ…、スイコウスルタメデス。」
「……あー、もしや地球人を人質にとるとかそういった類?」
「…………。」
鋭い地球人ね。
「……なんて……、嘘、冗談。つか…、本当に何で戻って来たんだ?」
「……ごめんなさい。どうやら本当に忘れ物をしたみたいで……。」
「……で?ちゃんと見つかったか?」
「……はい。」
「あっそー。んじゃーもう暗いし、早く帰れよ。」
「…………。」
駄目だわ……。
こんなんじゃ…、伝わらない。
もっと、私らしく……
伝える術があるでしょう?
「………。先生。」
「ん~?」
「忘れ物…、その1です。」
「………?」
「ここに置いて行った『暴走』を…取り返してもいいですか?」
「……。(そういやそんなことを言ってたか…?)……今必要だと思うなら…、持って行け。」
「はい。アリガトウゴザイマス。」
私はそれを…
バチン☆と、両頬に…叩き込む。
「忘れ物…、その2、です。」
「………。まだあんのか…。」
変なの…。
後ろを見ていても…、貴方が今どんな顔をしているのかが…わかるわ。
さぞかし呆れ顔をしていることでしょう。
「……ニシハルノートを……返していただけますか?」
「………。何で?」
「……見逃したものが…ある気がして。」
「……ふーん…。」
キィ…と、椅子が擦れる音がして。
背後へと足音が……
迫ってくる。


