恋はいっぽから!






「♪♪~…」




「……朝から浮かれてるわねえ、いっぽちゃん。ねえねえ、何かいいことでもあるのかしら?」



「母上……。一歩は今日…、大人になります。」





すぐ側で、コーヒーを飲んでいた父親が……




それを思い切り吹き出した。




「……な~んて、ネ。」





ワクワクするのは……


なぜだろう。





今日この日を、私は待ち望んでいたから?





「……いっぽちゃん、貞操は守らないと。」



必要以上に若作りをしている母(36)が、おろおろしている。





「…馬鹿者!貞操以前の問題だ。大事な時期に…男女交際などもっての他!」


頭のカタイ堅物親父(45)はムスッとして……




浮かれる私を…


睨んだ。





「親父さま……、娘の旅立ちです。それではあんまりじゃあありませぬか。」




父に向かって……




さめざめと泣く……


「……な~んて、ね☆」



……フリをする。








先生は、今日で25歳。




誕生日プレゼントは……



わ·た·し……、



な~んて!!




『アホか。』




「…………。」



間違いなく……


そう言われるわ。






「……さて、早くご飯にでもしましょうか。」




すっかり冷静になった私を見て。




(…お前が言うなよ。)





家族全員が、無言でそう訴えていた。