「はあっ…はあっ……。」
ようやく辿り着いた…教室。
私は膝に手を置いて、呼吸を……整える。
「……よしっ。」
意を決して……、
ドアを開ける。
「…………。」
閑散とした教室に、その音は……
妙に響いた。
「………いない…、か。」
ニシハルの姿は…、ここにはない。
「…………。」
それでも私は歩みを進めて、教卓の方へと向かう。
「…………ないわ。」
教卓の中に、ノートは……
……ない。
長南殿の言う通り……。
彼は…気づいたんだわ。
もし、読んだとしたのなら。
果して彼は……
何を想ったのでしょう。
私は…、いつもニシハルがいる位置へと立って。
教室を…見渡す。
私の席は、思った以上に…しっかりと見える。
ニシハルの見る景色の中で……
私は一体どんな風に…映っていたのかしら……?
くるりと振り返ってみると。
そこには……、まだ、落書きが残ったままの…黒板。
私は赤いチョークを手に取って。
文字や絵の間を縫うようにして……
小さく文字を記していく。
会えなかった時の……
メッセージ。


