「あかん!あかんやろ……コレ!!!」
『キーン』という音と共に、マイク越しのオオサカの声が……室内にエコーしていた。
「…あかんくないッ!逮捕ナ~シっ!」
(注:思わずアカン警〇です)
「卒業特集やなかったんかいっ!アンタさっきから何ちゅー歌歌っとんねん!」
「……オオサカ、マイク越しに怒鳴らないでください……。」
「…………。」
「さき程の歌ですか?あれはですね、『青いベンチ』という歌です。……おかしいですね…、こちらのベンチは赤。ムード台なしね。」
ただ今、卒業パーティーinカラオケ店。
パーティールームでタンバリンを持つ私は現在……深紅のソファーの上。
「いやいや、曲名聞いとるんやなくて……。」
「……あ。次、私の歌だわ。オオサカ、マイクを拝借。」
私は彼女からマイクを奪いとって。
やんややんやと囃し立てるクラスメイト達の前へと…歩み出る。
「……赤と言ったら…コレです!」
スクリーンにど~んと映し出される曲名。
『ルビーの指環』。
昭和の…名曲!!
「そ~う~ね♪誕生〇は…ルビーなの………♪」
…………。
「………違います、ダイヤです。」
私の誕生石は…、ダイヤ。
ニシハルからそのネックレスを…もらったもの。
「………。いいえ……、返したんだったわ。」
私はピッと……、演奏停止ボタンを押す。
「………!ダイヤモンドと言えば……!」
続いて、割り込みボタンで……
違う曲を…入力。
途端に、しっとりとした曲が…流れてきた。
「Daiyamondoといえば… Princess Princess!プリプリと言えば………!」
そう……、かの、名曲…!
『M』…!
「♪いつも一緒に…」
ピッ。…と小さく音が鳴って。
滑り出しで…演奏が止まる。
「…もうっ、オオサカったら…さっきから何なんですか!」
「それはこっちの台詞やで。なんなの、自分。さっきからひとりしんみりとした曲歌って……。」
「………?そうですか?」
「はあ~?自覚ないんかいっ。」


