本当は。
彼女の誕生日にあげようかとも…考えてた。
けれど、俺はそれをせずに……
ずっと、自分のデスクの引き出しへと…しまったまま。
……奴の…言う通りだった。
俺はずっと…、
怖かったのだ。
これをあげることで、彼女を縛りつけてしまうのではないかと…、
見出だそうとしていた将来への道を閉ざしてしまうのではないだろうかと…懸念した。
彼女を信じていない訳ではなかった。
学校という狭い世界に囚われていたあいつが……
いずれ自分の手元を離れた時に、果してこのままずっと…俺を好いていてくれるのだろうかと……、不安になった。
本気で好きになった相手だからこそ……
もし別れを告げられた時に、自分で自分がどうなってしまうのかが…わからなかった。
自ら別れを選んだ方が……楽だったのだ。
彼女の想いも、
自分の想いさえも無視した……
ただの……
逃げ。
「…………。」
いっそのこと…、
もう捨ててしまおうか。
いつまでも、こんな物を持ち続けているから……
諦めがつかないんじゃないか?
わかってたんだよ。
本当は俺が、
俺の方が……、
三船一歩というひとりの女に……
囚われ続けていたってこと。


