長南が去ったその時に……、
俺は、手にしたノートの何も書かれていない空白のページを…めくっていく。
「……気づくワケないって…わかってんだよ。」
賭けをしたつもりでも、賭けになんてならないことは…わかっていた。
それでも、
もしかしたら…奇跡はあるかもしれないと、
一発逆転を夢見ていた俺は……
もしかしたら、一番子供であったのかもしれない。
彼女への……、
秘密の暗号。
「机の裏」。
そんなたった3文字を書くのに…
どれだけの勇気をつかったかはわからない。
暗号が指す場所には…
先程俺が剥がしとった物が…
存在していた。
ポケットと中からそれを取り出して……
そっと、手を開く。
掌の上には、小さく輝く……ダイヤの光。
「……無駄になったな…。」
彼女の誕生石。
その石が嵌め込まれた……
指輪。


