生徒達が……、一人、二人と……
教室を去って行く。
「いっぽ、ウチらも行こか?」
オオサカにそう促されると…、
「……あ…、ちょっと待って下さい。」
私は慌てて…、
机からアレを出す。
「………?自習ノート?」
「はい。もう使わないものなので……、最後にメッセージをと思いまして。」
「…?誰に?」
「仁志先生に、…です。」
「…へぇー、ええなソレ。ウチらも書こか?」
「……モチロン…☆」
私は空いているページを開いて……
つらつらも文字を綴る。
イチ……生徒として。
「はい、お次はオオサカがど~ぞ。」
「あんがと。」
続けて、オオサカが……。
「…長南殿もどーぞ。」
最後に……、長南殿に手渡すと。
「え。俺……?」
…と照れ臭そうにしながら、考えこんだ。
「男ってこーゆー時どんなん書くん?」
オオサカがノートを覗き込むと……。
「バッカ、見んなよ!」
彼はノートを持って私達に背を向けてしまった。
「ケチ。」
「……うるせーな。後ろ向いてろっ!」
「アホやな、あいつ…。」
「シャイボーイですね。可愛いわ。(ポッ)」
仕方なく後ろを向いて…、彼が書き終えるのを待つ。
「………よし、書いたぞ。」
「ならば先生に気づかれぬうちに……!!」
ノートを預かった私は、廊下にいる彼に気付かれぬようにと…
抜き足さしあし、教室の前へと移動する。
それから……
シュバっと。
教卓の中へと…それを押し込んだ。
「ニシハル気づくかな。」
「………気づきますよ、多分ー……。」
きっと彼は…気づいてくれる。
そう願いを込めて……。
最後に残された私達は……
彼、「ニシハル」と過ごしたこの教室を……
後にした。


