氷の蝶



見事な捨て台詞に、多少呆然となりつつも空き教室を出る。

扉に右側にリオンと大和が壁に寄りかかりながら、こっちを見ていた。


「大丈夫だ。ちゃんと、断った。」


「ならいい。」


「えー、でもあの子俺がもらいたかったのに…」


リオンのその言葉を聞き俺に中に形容し難い感情が、ドロリと流れ込んだ。

それでも、……その感情を隠すために顔を笑みの形に形作る。


「リオン…もう止めるんじゃなかったのか?」


「………そうだ!そういえば迎えきてるよーて言いたかったんだよー。」


露骨に会話の方向を変えられる。

そうか、もうそんな時間か。

それじゃあ、帰るとするか………あの家へ。