氷の蝶

ギャルが引きとめようとしている。


「なんで席変えるのよぉ。いいじゃないここで!朔夜はぁ、ここにいるのーっ!」


シャツの袖を、ツンと引っ張りながら上目遣いで小鳥遊を見ている。

絶対あれ計算してる。

そこで三矢君が動いた。


「ねぇねぇ、君なんて名前なの?僕は三矢 悠斗だよ。よろしくねー!ところでさ、君僕ととなり嫌なの?そんなに嫌なら…僕しょうがないから、戻るよ…?」


ウルウルの目で、近づきながら言われたギャルはウッと言葉につまり。


「い…いいわよ。そんなに、私の隣がいいならいいわ。」


と渋々三矢君を隣に来させた。

ギャルから自由の身になった小鳥遊はこっちに、まっすぐやって来た。

うわっ、来た!

バッと視線をそらす。

授業の準備しなきゃ…。

隣の席がガタガタとなる。

小鳥遊が座る気配がした。