氷の蝶

教室に黒髪の声が響く。

低い…威圧感のある声だ。


「俺は、小鳥遊 朔夜(タカナシ サクヤ)。…ヤクザの息子だ。」


!?

最後の一言で、ざわりと教室の空気が騒いだ。

みんなが動揺している。

そんな中、黒髪がクスクスと笑い出した。



何を笑っているんだろう。

そんな空気が教室に満たされる。


「冗談に決まってんだろ。」


その一言で教室の空気が和らぐ。

するとそこらへんで、笑いが起きる。

「冗談かよっ!」と、つっこむ奴も出始める。

前の席の人が、「いやぁー、ビックリしたー」とつぶやいていた。