「オカリナさん、私は人探しなんて断固拒否する!」
私がそう言うと、フウと名乗ったその子供は首を傾げた。
うわっ! ミナミと同じにおいがするっ!
「ねーねー、オカリナおねーさん。『だんこきょひ』ってなあに?」
子供にまで『オカリナ』と呼ばれたオカリナさん。
一瞬羞恥に顔を赤くしたけれど、すぐに持ち直した。
「『断固拒否』っていうのは、『いいよ』って意味よ」
嘘を言うな、嘘を。
子供に変なこと教えて、あとで大変なことになっても知らないからね。
「えっ!? いいのー? ネコのおねーさんっ!」
キラキラとした純粋ビームに、私は折れた。
「……いいけど、こっち見ないで。気持ち悪くなる」
「……猫宮キト…あんた本当に子供嫌いね。ワタクシは好きよ」
知るかっ! オカリナさんのこと、私は一生理解できない!


