私を無視して、子供と話しはじめるオカリナさん。


「どうしたの? あなた、見たところ……女の子かしら?」


「ぐすっ……うん。あたし、まいごなの」


うん。それは見ればわかる。


このフカフカの髪を見る限り、ヒツジのような気がしなくもない。


「お名前は?」


オカリナさんの質問に、子供は小さな声で答えた。


「……日辻、フウ」


「フウちゃんね。一緒にお母様とお父様を探してあげますわ」


あー、変な約束しちゃって……。


私、しーらない。


「……このネコのお姉ちゃんと一緒に」


オカリナさんの爆弾発言に、私は目を見開いた。


な、なにーっ!?