うとうとしはじめた私を見て、窓の外の誰かに同情の視線を送る、クラスメイト達。
……しょうがないなぁ。
私は窓のカギを開けて、“それ”を教室に入れてあげた。
“それ”だの何だの言ったヤツは……まあ、一応女子なんだけど。
噂好きで、歌声が綺麗な鳥の獣人、鳥居アスカ。
アスカは顔が広くて、色々な人と知り合いで。
ただの馬鹿じゃない! ということを、証明してくれる。
「ありがとね~キト♪」
それはもう鳥のような声で、しかも笑顔でお礼を言うアスカ。
やっぱり、鳥だ……。
「うん。別にいいけど……なんで、窓から?」
アスカは窓をチラリと見て笑う。
「あはっ! だって、歩いてたら遅刻しそうだったし?」
飛んだのか。
……こういう時は、鳥っていいよなと思う。


