仕方が無く、不本意ながらミナミを囲む輪の中に割り込んだ。
「あっ、てめ! いっつも兎原さんを独り占めにしてる猫!」
猫猫いうなっ! と言いたくなるけど、これは無視に限ると判断。
私は無言で睨みつけてからミナミの手首を掴んだ。
男子たちのブーイングがすごいけど、そんなの知った事か。
「キトって、カッコいいね~……」
「……待って。私が睨み殺される」
男子の目が痛い。別に気にしてはない……気になるけど。
鈍感ミナミはニッコリと微笑む。
「え? なぁに?」
男子赤面。私はそれを見て呆れる。
なに、アレ。まあ、睨まなくなったからいいけど。


