「……ごめん、ミナミ。あれ、全部演技だから」
「………………………へっ!?」
たっぷり10秒使って返事をしたミナミは、目を丸くさせた。
私は気まずそうに目を伏せて言う。
「……うん。そう言うことだから」
「……………ええええぇぇぇっ!? どう…、なっ、え、あの、なん……えぇっ!?」
「……まず言うこと決めて」
そう言う私の耳に、クラスメイトの聞き捨てならない声が聞こえた。
「やべ、演技じゃなかったら惚れてた……」
「うん……というか、演技って…」
「ま、まさか黒岩くんよりも、強者だったり……!?」
………なぜ、そうなるっ!


