まあ、当然だけど。


ブルブル震えるミナミを呆れたように見てから、ふと教室が静かなことに気が付いた。


「……やけに、教室が静――……ッ!」


ミナミの近く辺りに、黒岩が私たちを見て立っていた。


今まで見たことが無い、怪しい笑みを浮かべて――……


「…………どうも……」


「……どーも、猫宮キト。俺の事を好き勝手言ってくれているようで」


黒岩は私に向かってそう言うと、ニヤリと笑って見せた。


こ、こんなに笑う奴だった!?


絶対違う! 黒岩は、無表情だったはず……。


ということは、コレが噂の“裏”……


私は意を決して口を開く。


「人の話を盗み聞きしたの……良いご趣味なことで」


「あぁ、よくそう言われるよ」