―― ドスンッ
「ぐっ……ど、どいて……!」
「あ、ゴメン……!」
ミナミはそう言って、慌ててピョンと私から退いた。
ホッと一息……吐く暇もなく。
「黒岩くんと話してたの?」
「え? あぁ……見てたの」
確かにそうだけど、別にどうでもよくない?
「あのね、黒岩くんと話して……何か、変じゃなかった?」
「ヘン? 何が」
「うーん、間違ってるのかなぁー」
1人で思案しているミナミに、私は眉を思いっきり寄せて、ヤケクソのように干物を口に入れる。
「ああっ、ごめん! キトを仲間外れにしたつもりは無いの~!」