そして朝。 いつも通りに玄関から、家を出発した…までは、良かったんだけど。 「おはよ、キト」 困ったような笑顔で、私に挨拶をするのはお兄ちゃんで。 一晩中、この家の前に居たと思う。 一睡もしてないのか、お兄ちゃんは欠伸を連発。 「……お兄ちゃん、元気?」 私の問いに、お兄ちゃんは少し空を仰ぎ見てから言った。 「眠い」 「だよね」 私は困ったように自分の家を見るお兄ちゃんを見て、つい言ってしまった。 「…学校、来てみる?」 私のその質問は…… お兄ちゃんの「行く」の即答で決まった。