そこで、今日は解散となって。
私は自分の家に帰って、お兄ちゃんも一緒に帰ったんだけど……。
私が家のドアを開いて、いつも通りお母さんが出迎えてくれた。
「お母さん、ただいまー」
「キト、おかえりなさ………――!」
お母さんは、お兄ちゃんを見た瞬間に固まった。
そして、しばらく口をパクパクとさせてから、ゆっくりと微笑んだ。
「……自分勝手な息子は、家に入れません」
そう言ったお母さんは、ドアをお兄ちゃんの目の前でバタンッと、音をたてて閉めたのだ。
「……おかあさん、なんで?」
「『妹に会いたいので、10日間仕事休みます。と、息子さんに言われたのですが?』って電話が来たのよ」
それを聞いた私は、ミナミが何かをやらかした時以上に、頭を抱えたくなってしまった。


