お兄ちゃんは、猫みたいに気まぐれで。
例えるなら、面白そうなことに挑戦する、冒険家な猫。
そして、悪戯好き。
私はその楽しさが理解できないけど、すっごい楽しそうに笑うお兄ちゃんを見ると、案外楽しいのかも……とか思った。
お母さんに怒られているのを見て、こんなヒトにならない。と思ったのも、その時。
「でも、今日はちょっと帰ってきただけだから。また、今度ね」
お兄ちゃんは腕時計を気にしながら、ミナミに言った。
ミナミは嬉しそうに笑う。
「はい! あぁ~、良かった! これで、お父さんと話せる」
安心しているミナミを見て、私とお兄ちゃんは目を見合わせて笑った。
けど、再びミナミを見た私たちは、固まった。
…………オイオイオイ…ちょっと待ってよ、ウサギサン。


