ミナミはお兄ちゃんを見て、しばらくしてから。
頭を垂直に下げた。
「……というわけで、お願いしますッ!」
「…………なにが?」
目を点にさせて聞いてくるお兄ちゃんに、私は頭痛がした。
ミナミ……というわけで、じゃ…通じるわけないよ。
うちのお兄ちゃんは、私と話したことを聞いてないし。
まあ、猫とは大違いで『お願い』とかされると、結構OKしちゃうタイプだし。
だから言っても言わなくても、同じだと思うけどね。
「…なんか、彼氏を紹介するって親に言っちゃったらしい……居ないくせに」
「うぅっ……そ、それは痛い…い、いいの。私は、人参色の人が好きなの!」
なんだそりゃ。
一生独身タイプだ、これ。


