お兄ちゃんは私の頭を撫でて、ミナミの方を見てお辞儀した。
「どうも。キトの兄の、猫宮キヤトです」
ミナミは茫然としてから、首を傾げた。
絵になる……これ、写真にしたら売れると考える人も、出てくるんじゃないか。
「…CAT?」
ミナミの言葉に、お兄ちゃんは一瞬目を丸くしてから、困ったように苦笑した。
これは、自己紹介の後に「CAT?」とか「きゃっと?」とか言われた時にする顔。
「あはは……キヤト。うちの親父、猫好きだから」
そう言って笑うお兄ちゃんの言葉に、付け加える。
「……というか、ほぼ猫だから」
お兄ちゃんは一瞬「それを言っていいのか?」って顔をしたけど、ミナミを見て納得したように頷いた。
……さすが、鋭い。獣人って気が付いたのか。


