私たちは化けながら、人間たちの歩く中を歩いた。
疲れるから煮干しを食べながら。
ミナミは人参味の飴を舐めている。美味しいのかは不明。
「あ、いた」
「本当? う~ん、あの人かなぁ~? お父さんでしょう?」
あ、まだそう思ってたんだ。
私は笑顔で聞いてくるミナミに、自然になるように笑顔で答える。
「違うよ~」
「そっか~…………え゛っ!? 違うの!?」
「うん」
私がそう言うと、ミナミは「なんだぁ~~」と言って座り込んでしまった。
……大丈夫だろうか、コレ。
何故か腰が抜けているミナミを立ち上がらせようと、私は手を差し出した。


