ミナミはハッとした顔になって、私の上からすぐに退いた。


毎朝これだから、かなりきつい。


最初にされた時は、ホントにイカレテルと思った。ペチャンコになると思った。


「ご、ごめんね? キト……だ、だいじょう、ぶ?」


ミナミの顔を見た男子群は、顔を赤くさせてピッキーンと固まるのが大多数。


まあ、無理も無いのかもしれない。


ミナミは天然で、首を傾けて上目遣いでウルウルと目を潤ませ、とどめはお願いのポーズ。


「……別に、大丈夫だけど…………宿題やったの?」


私の言葉に、ミナミはカチンッと固まって、鞄を肩から落とした。


……どこのマンガだ、どこの。


「いやぁぁっ! 忘れた! もうイヤ、サイアク……」


しくしくと、泣いて落ち込んでいるミナミの周りに、1秒もかからずに男子が集まる。


おーい、ミナミー? ちょっと、ウサギさん? 周りにマジで獣が居るよ。