ティッシュを受けとったミナミは、しばらく呆然としてから私を見た。


「……きょうりょく、してく――」


「しない」


ハッキリと言い切った私を見て、ミナミは再び涙を浮かべる。


面倒臭い!


「ハッキリ言って、無理なの」


「うぅ……そこを、なんとか…」


ミナミは目をうるうると潤ませながら、お願いのポーズ。


くっそ、可愛いからって。そんな手に乗らないからね。


私が無言で諦めるように圧力をかけていると、ミナミが急に立ち上がって話しはじめた。


「だって、ただ男装するだしっ!」


「それが無理なんだって!」