学校に居る生徒たちが、ちらほらと帰る時間。


私は歩く足を速めて、校門から出ることだけを考えていた。


後ろから聞こえる足音は…無視!


「うわぁぁぁんっ! ま、待ってよ! うぅ……キトのイジワル~」


ソイツ……ミナミは、傍から見ればふざけて泣いているようにしか見えない。


でも、ミナミはあの泣き方でも本気。マジだ。


「私は、絶対に協力しない!」


「おねがいじまず~~!」


可愛い顔で鼻水垂らして、ぐびぐびと泣いてるミナミに、私は苦笑して立ち止った。


……ったく。これだから、放って置けない。


私はティッシュを取り出して、ミナミに押し付ける。


「……鼻水、拭いて?」


「あっ、う、うん……ありがど…ズズッ」