私は後頭部を抑えながら、後ろの席の人に謝ろうと振り返った。
「あの、ごめん。うるさかった?」
「え? あ、い、いい、いえっ! だっ! ……い、じょうぶ、です」
後ろの席の人は、何故か私に怯えてる。
名前は鼠入チア。ネズミの獣人。
働き者で、ショートヘアの女の子なんだけど……なぜ、怯えているのだろうか?
「……なんか、大丈夫?」
「は、はは、はいぃっ! も、もう、元気すぎるくらいですぅっ!」
ペコペコと何故か頭を下げながら言う彼女から、フワッとチーズの匂い。
その匂いに、私は少し顔をしかめた。
実は、私はチーズとか……発酵系が苦手だっりする。
なんか体が受け付けない…っていうか。
そんな私の顔を見て、チアは顔を真っ青にさせた。


