日和ちゃんは優くんの好きな人も聞いたらしく、嬉しそうにメールをしてくれた。

『優くんの好きな人聞いちゃった!初めてだって!私に話すの!』

『私友達でもいいや!もう幼馴染に戻る!』

『希凛ちゃん、ありがとう』


彼女の数々のメールを見ては頬を緩ませる。
あぁ、日和ちゃん吹っ切れて、前に進んでいるんだな…と感じる。

私は、吹っ切れているんだろうか。
光くんを避けて時間が経っても光くんからはメールがこない。

いいんだ、これで。

私達は別に日常に戻っただけで。
きっとあの数日は夢だっただけで。

何もかも元に戻っただけ。

光くんもそう思っているはず。
だからメールしてこないのだ。

大体私達はただ単に友達だっただけでそれ以上でもそれ以下でもないんだ。
しっかりしろ、私。

「あ、希凛。」

ほっぺをつねっていると、頭上から声が聞こえた。
顔をあげれば、人懐っこい笑顔の優くん。

「サボってんの初めて見たわ。」

「私も初。」

笑うと、隣にドすっと優くんが腰かけた。